今日の一盤(リバーサイド320番ウェス・モンゴメリー)

s_P1010629.jpg
60年1月、ジャック・ヒギンズ、ジャック・マシューズ録音、ポール・ベーコン デザイン、WES MONTGOMERY(g)TOMMY FLANAGAN(p)PERCY HEATH(b)ALBERT HEATH(ds)
名盤の誉れが高い本作であるが、改めて聞き直して、聞けば聞くほど本セッションの一部始終にくぎ付け、惚れ直した。
ウェスの天才的なフレーズ、トミフラも、さすがの実力発揮、この2人の掛け合いで内容は素晴らしい。さらにはパーシー・ヒースの端正なベース、アルバート・ヒースは過不足なく下支えし、心地よい。僕はこれをCDで欲しくなった。
僕は本作を聞きながら、昔出た「ジャズ批評」でのウェス・モンゴメリー物語を吸い寄せられる様に読みあさった。
男4人、女1人兄弟の三男として1923年誕生。親が離婚、兄弟3人は父方へ、弟と妹は母方へ、長男は18歳時に逝去、次男は14歳時に学校を退学して荷役の仕事で家計を助ける。そしてハイスクールに通うウェスにギターを買ってやる。感激したウェスは猛練習にいそしむ。話は飛んで、58年時、ウェスの年齢は35歳、6人の子供に恵まれ、朝7時から午後3時まで溶接工の仕事、夜7時から午前2時までバーで演奏、2時半から5時まで次のバーで演奏、こんなハードワークをこなしていたという。この辺りは浪花節的でモンゴメリーの人間力を感じさせる。運命がウェスに味方したのは、キャノンボール・アーダレーとの出会い。噂を聞いたキャノンがウェスを見るに2時半から5時までのバーに駆けつけ、ウェスの目の前、かぶりつきで聞いた。びびびーと響いたキャノンは店の電話を借りたくも電話もないバー、翌日、オリンキープニュースへ報告に走ったという。(キャノンは営業部長役だったのだろう)
その後の活躍は知っての通りだが、彼の活動の基本は兄弟3人の活動であった。次男がベース、弟がピアノ。家族愛、兄弟愛だ。もちろん単独での活動時間は増えていっただろうが。
61年のコルトレーンやドルフィーとモンタレージャズフェスで共演し、コルトレーンからバンドへの勧誘があったそうだが、実現しなかった。家族・家庭を取ったのだ。68年6月15日心臓発作にて逝去。享年45歳、リバーサイドに登用されてから死までの10年は夢の様に男ウェスは開花した。しかしなーと思う。父としてのウェスは忙しすぎて子供とどれだけ触れ合うことが出来たんだろうか?本作の録音時に7人目の子供が誕生した。
コルトレーンバンドに加入しなかった心意気というかポリシーを忖度しようではないか。
努力は天才に勝るという。ウェス物語を読むと相当努力したようだが、本作を聞いて、努力だけでは備われない天才的なひらめき、官能センスを感じぜずにはいられない。元々の天性を有するウェスだが、生活に追われて、切磋琢磨しなけねばならない環境だったからこそ出来上がった彼のアートなのだろう。世の優れたアートっていうのは、そんなものなのかな?

今日の一盤(リバーサイド319番ビリー・テーラー)

s_P1010627.jpg
60年2月、レイ・ファウラー録音ポール・ベーコン デザイン、BILLY TAYLOR(p)HENRY GRIMES(b)RAY MOSCA(ds)
録音良し、曲目良し、演奏内容良し、三拍子揃った名盤だ。
ファンタジー社からの再発だが、プレリュードでのライブで録音がすこぶる良い。ヘンリー・グライムスのベース、ブラッシュワークの心地よさ、ビリーは力みを感じないスイング感で素晴らしい。

今日の一盤(リバーサイド318番ナット・アーダレー)

s_P1010628.jpg
60年1月、ジャック・ヒギンス、ジャック・マシューズ録音、ポール・ベーコン デザイン、ミュージシャン画像参照、他KETER BETTS(b)LOUIS HAYES(ds)
ナットが作曲した「ワークソング」久し振りに聞く。当時というか、ジャズに興味を持ち始めた60年後期、ずいぶん耳にした僕自身のフェバリットソングでもあった。
しかしどうだろう、久し振りに聞いたソングは、もはや懐メロであり、琴線には響かない。他の歌だってそんなのがいっぱいある。流行するときは爆発的に聞いて、聞かされて、一時が去れば、その歌の旋律は時間と共に遠ざかる。大概の歌はそんな運命だ。という事を考えるとスタンダードソングは永遠に不滅なんだからすごい。いつ聞いても飽きないのだから。
さて本作、ナット・アダレイを中心にファンキーなハードバップが展開するだろう?と思っていたがさにあらず。タイトルソング以外は静かに内省的にせまるアルバムなのだ。ウェス・モンゴメリーが参加している。ここではサイドマンの役割にがんばっていて出しゃばらない。サム・ジョーンズとキター・ベッツがセロを取り、パーシー・ヒースがベースをやっている。そしてナットは訥々とコルネットを吹いている。タイトルソング「ワークソング」を捨て駒にしている感じ。渋い好盤。

今日の一盤(リバーサイド317番ボビー・テモンズ)

s_P1010625.jpg
60年1月、ジャック・ヒギンス録音、ポール・ベーコン デザインBOBBY TIMMONS(p)SAMJONES(b)JIMMY COBB(ds)
画像を見てもらいたい。リバーサイドの下に白地で矢印が示されていて、THIS HERE IS と案内があって、再びTHIS HERE,MOANIN,DAT DEREがある。テモンズの代表曲の3曲だ。この3曲はジャズファンだったら一度は耳したことがある有名曲。
テモンズの祖父、父、共聖職者。産湯を浸かった頃からゴスペルの世界で育った。だからだろう、そんな環境下でなければできない様な類い稀なる名曲がこの世に誕生した。因みにTHIS HEREとは「この世」DAT DEREは「あの世」という意味。MOANINは「うめく」という宗教的な意味合いを持つ。
本作はテモンズの初リーダー作で、以後74年38歳で亡くなるまで16作のリーダー作を作った。どのアルバムも、これぞジャズ的な熟成された味を持つ。
著作権問題、あるお客様が演歌歌謡の達人で自ら作曲した。「千秋公園ブルース」これを日本著作権協会に登録したそうだ。この曲をカラオケでリクエストしたら50円入るそうだ。
こんな制度がテモンズに当てはめられたら彼は金持ちであったろう。この問題の煩悩で苦しんだと聞く。悲しき天才人。

今日の一盤(リバーサイド316番ジュリアン・プリースター)

s_P1010626.jpg
60年1月、ジャック・ヒギンスジャック・マシューズ録音、ポール・ベーコン デザイン、ミュージシャン画像参照してください。
トミフラがいる。エルビンもいる。そしてサム・ジョーンズのベースという豪華リズム陣の伴奏で、悪かろうはずがない。ジミー・ヒースもジュリアンも、渋いミュージシャンだが、アーシーでブルージー、黒光りするハードバップを展開する。価値ある1枚。
プロフィール

ジャズカフェモーニン

Author:ジャズカフェモーニン
ジャズカフェ『モーニンのブログ』へようこそ!

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
天気予報その2
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
訪問者
QRコード
QR